2013年11月3日日曜日

GIGANTES

2015.12.13 追記

以前から解体予定であった渋谷GIG-ANTIC跡ですが、
2015年12月15日0時0分を以ってビルの前の道路が封鎖されるという情報を得ました。
これを機に、これまでの私の訪問歴を振り返ろうと思い
ページ下部にて写真を掲載することにしました。


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私が最初に渋谷聖地巡礼を計画していた時、一番目に訪れようと決めていた場所が、渋谷GIG-ANTIC跡です。
あやせがFESとしてヴォーカルをしているバンド、ファンタズムがライブをし、拓巳がそれを見に行ったライブハウスGIGANTESのモデルです。
「GIG-ANTIC」 の読みは「ギガンティック」のようですが、当時のミュージックファンは「ギグアンティック」とか「ギグアン」と呼んでいるようです。

作中で拓巳が説明している通り、駅から5分程度の訪れ易い場所にあります。
しかし私が初めて訪れた時は、渋谷自体が初めてだったこともあり道を間違えて15分程度かかってしまいました。


背景CGは駅方面、西側から見たあたり。
左右反転であること以外、ほとんど改変されずそのまま描かれています。


そのまま……とはいえ、看板はなく照明は灯っていません。
前述の通り、「跡地」です。
ライブハウスとしての渋谷GIG-ANTICは2009年1月31日に閉店しています。

ゲーム中では看板に

SOUND IS LIFE
GIGANTES

と書かれていますが、ここは実際には

aas
ARIES ARTIST SQUARE

STUDIO24
SHIBUYA

と書かれていました。
渋谷エリアガイドさんに下半分だけですがとてもわかりやすい写真が載っています。

ちなみにアニメ版では「bbs STUDIO23 SHIBUYA」と書かれていますね。bbsって……。

ではGIG-ANTICという名前はどこにあるのかというと、
まずはこのビルの全容がもう少しわかりやすい写真を。
黄色の四角の中をよーく見るとわかるのですが、「GIG-ANTIC」と読める日焼け跡があります。
でもこの写真じゃよくわかりませんね。
ライブハウス 情報 / livehouse.tvさんに当時の写真が載っています。
後半が植物に覆われてよく見えませんが、光り輝く銀色の「GIG-ANTIC」の文字が読めます。
落書きされまくった自動販売機とかすごくライブハウスらしくていいですね、いいですね。
ちなみに当時、自動販売機は4つくらい置いてあったようですよ。大杉。

この建物、当時は「サウンドフォーラムビル」という名前で、その頃の名残が2013年現在でも見られます。
建物の背面が渋谷川の上に架かる稲荷橋から見られます。

このビルのうち、ライブハウス「GIG-ANTIC」は2階にあり、外の階段から2階に上がって入るようになっていました。
ゲーム本編でも三住くんが階段を軽快に駆け下りてきたという描写があります。
でもアニメ版では1階から出てきていますねw

さきほどの「STUDIO24」は3・4階。
ここ渋谷店は閉店していますが、同じく「STUDIO24」の名のついた系列らしきスタジオが都内を中心に数カ所あるようです。

1階には「ギガンティック☆カフェ」というなんとも可愛らしい名前の店があったりしたようです。

5階は事務所だったらしいです。


さて、CHAOS;HEADのファンなら知っていると思うのですが、
あやせの所属するバンド、ファンタズムはゲームの枠を飛び出して現実にライブを行ったことがあります。
『幻影の黒ミサ』と名付けられた、200人程度が抽選で選ばれ参加することができたフリーライブです。
FESはもちろん中の人である榊原ゆいさんが、ギターのRYOは原作者の志倉千代丸さんが演じるという素晴らしく熱いライブ。
あやせのブログ「†PHANTASM’S RED†」でもそのことが触れられていて、まさに「リアルブート」という言葉がピッタリくるライブでした。


このライブが開催されたのはCHAOS;HEAD NOAH発売直後、ファンタズムのアルバム発売に向けて、という時期、3月14日でした。
つまり、GIG-ANTIC閉店の1月31日からわずか1カ月半後なのです。
カオスヘッド&シュタインズ・ゲート 科学アドベンチャーシリーズ マニアックス』によると、
榊原ゆいさんが扮するFESが渋谷でライブを行う際に、このライブハウスを使おうとしたところ、既に営業は終了していた
と…。
開催側にもここでライブをしたいという気持ちがあったのです。
それがほんのすれ違いで叶わなかったということは、本当に、本当に残念なことです。
実際に使用されたライブハウスは、センター街の北にある「チェルシーホテル」です。
このライブの様子は3曲のみアルバム『End Prophecy』のDVDに収録されています。
アルバム曲である「闇に光を灯す者」は一番までPHANTASMのMyspaceで公開されています。


話をGIG-ANTICに戻しましょう。
GIG-ANTICは閉店まで15年続いたライブハウスだそうで、1994年3月に開業したということです。
しかしこの建物自体は元々ライブハウスではなく、以前はうどん屋だの雀荘だのがあったらしいです。
元からライブハウスとして造られたわけではないのですね。

GIG-ANTICのあった当時のオーナーの手を離れ、現在は東急建設株式会社の所有となっています。
建物名も「イターナル渋谷ビル」となっています。

ライブハウスだった場所をなぜ東急建設株式会社が買い取ったのか?ということですが。
ここGIG-ANTICだけでなく、隣のビルも東急建設所有となっています。
おそらくこの渋谷二丁目20番地周辺が東急建設のものとなっているのではないでしょうか。

なぜかというと、このあたり一帯、 2017年までに一切が解体され新しい商業施設が建つからです。

これは東急グループの『渋谷駅南街区プロジェクト(渋谷三丁目21地区)』という計画によるもの。
渋谷駅を中心に、再開発計画が進められています。
他にも駅前、道玄坂、桜丘での計画もあります。
『南街区プロジェクト』の2013年10月現在での進捗状況は、旧東急東横線線路の解体作業中です。
それが終われば、近いうちに線路からわずか3メートルほどの通路を挟んだGIG-ANTICのあるビル群一帯が解体されるでしょう。
ライブハウスではなくなったとはいえ、まだかろうじて残っている旧GIG-ANTIC。
直に見に行くのであれば、できるだけ早い内がいいでしょう。



と、ここまで私の持っている情報を紹介して参りましたが、既になくなったライブハウスのことを、2012年に巡礼を始めた私がどうしてこんなに集められたかといいますと。
かつてGIG-ANTICでライブをしたミュージシャン、ファンの人々が、当時その思い出をブログに残してくれているのです。
けっこうな数があります。写真もたくさん見つかります。
特に、閉店直前に行われたライブについての記事は、本当に、閉店を惜しんでいた人が多いことがわかります。
2013年現在でもTwitterなんかでたまに話題にしているのを見かけることがあります。
それだけ、GIG-ANTICは愛されていたライブハウスなんですね。
ミュージックファンの間では「メロコアの聖地」と呼ばれることがあって、私は音楽は詳しくないので“メロコア”がどういう音楽かは知りませんが(ファンタズムの曲とは明らかに違うってことだけはわかる)、重要な思い出を持っているファンが多いのでしょう。
当時GIG-ANTICを使用していたミュージシャン、訪れていたファンの人たちを羨ましく思いつつ、彼らに深く感謝します。

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後日、私が撮った元GIG-ANTICの写真を追加する予定です。

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「後日写真を追加」と宣言してから2年以上経っていました。
時は満ちたと思いますので、掲載していきます。
当時を振り返りながらになるので長くなりますが、お付き合いください。


2012年10月14日。
私が初めて渋谷を訪れたのは、あやせの中の人である榊原ゆいさんの『Happy★LOVE×Live2012』の翌日でした。
この頃はガラケーを使用しており、写真の品質が現在とは異なります。

「そこにある」という現実的な実体感に感動していました。

普通の人は撮らないような詳細のわかる角度から見られることに興奮。

全体像はネットで見ていたのである程度知っていたのですが、CGに描かれていない部分をじっくり見られて歓喜。


最後に渋谷川から見られる背面を。当時のビル名だった「SOUND FORUM」の文字が見えます。


2013年3月29日。
榊原ゆいさんの『Battle★LOVE×Live2013』の前日。
渋谷再開発計画によってビルが解体されることを知ってから初めての訪問でした。
この時からiPhoneです。一部デジカメも混ざっています。


初めての夜です。ゲーム・アニメで登場するのも夜なので再現度が高いですね。
おそらく建設業者の事務所として使われていたため明かりが点いています。

「もうなくなってしまうのだから!」と思い切って階段に上ってみる。


翌30日から31日にかけて。

ドアが開いているとかすごい誘惑ですよね。
あと前回の訪問で雑然としていた花壇の植物がすげー高くなっています。

道路の対面にある東急東横線の高架の壁。アニメ版ではここも描かれていましたね。


2013年5月3日。
榊原ゆいさんとZweiが出演した『Ota Rock Empire Vol.4』というアニソン&ロックのライブの日。
榊原さんとしての出演にもかかわらず「密教の首飾り」が歌われ、再開発によって変貌しようとしている渋谷に哀愁を感じている心に深く染みました。
わかり易い紹介記事なんかには絶対に載らないような写真群。
「FESたちが見たかもしれない風景」を同じ視点で自分も見ておきたかった。

できるだけ真正面から平面的に撮りたい、と思い。この頃にはこのビルをイラストとして描きたいと考えるようになっていたのだと思う。

隣のビルの階段から後ろが見えるんじゃ、と思い立ち。良い大人はやらない方がいいです。


翌4日。
『舞台版ロボティクス・ノーツ』2日目。ゲスト出演者は木村良平さんでした。

この日はすっごい晴天でした。


9月13日。
これだけ回数を重ねると周囲の建物にも愛着が湧いてきます。「あやせはいつもここを通っていたのだな」と思うと殊更に。
屋内の照明は点いていませんでした。この頃には事務所として使われなくなっていたのか。


翌14日。
榊原ゆいさんのアルバム「Splash!」の発売イベントの日。

いつのまにか裏手の「SOUND FORUM」の看板は切れてずれ落ちており、扉には覆いが施されていました。
伸びまくっていた植物は短くされています。

「かつてそこにある意味があったもの」の痕跡。

渋谷駅埼京線ホームから見えるという情報を得て行ってみた。
下からではよくわからない4階、5階がほぼ真正面から見られるというレアなスポットだった。
5階右上の黄色い落書きは、隣のビルにあるのは知っていたのですが同じようにここにもあると知ったのはこの時だったと思います。

とあるブログで上階を横から撮っている写真を拝見したので。
この頃には向かいの東横線の解体工事が進んでおり、中の様子は地上からではわからなかった。


15日は特に予定を決めていなかったのですが、
たまたまツイッターを見ると林直孝さんがROBO-ONEが開催されている旨をツイートしていたので
急遽観戦へ。
この日は酷い台風で朝から雨が。

天候のせいか、普段とは違う空の色。夕方ですが月も見えて良い雰囲気。


2013年10月11日。

この時から「落書き禁止」の掲示が。正確には9月15日からこの日までの間です。
以前Twitterで見かけたのですが、このビルの壁面に大きな落書きがされていました。
渋谷なんてのは街中落書きだらけだったりするので、けして珍しいことではないのだろう。
そもそもビルの上部に何年も残り続けているであろう落書きがあるし。


12日。
『舞台版シュタインズ・ゲート まゆりシナリオ』と『Happy★LOVE×Live2013』を立て続けに見るという過酷な日。

左の入口付近にも掲示。
向かいの旧東急東横線解体工事がかなり進んでいたため、工事現場を挟んだ道路からも見られるようになった。
意外と上の階がよく見えて面白かった。


13日。

ビル中央の花壇に花が以前はビョーンと育った植物だったが、植え替えが行われたのだろうか。
これから解体しようというビルに、何故?
とにかくいろんな部分の詳細を残しておきたくて撮る。


2013年11月3日から4日。
この日は『あきねっと 秋葉原インターネット音楽祭 PRESENTED BY 秋葉原MOGRA』だった。
タイトルだけ見るとよくあるオタク向けイベントのようだが、実際は深夜にでかいクラブで行われ身分証必須でアルコールも出る未成年お断りのイベントだった。
イベント開始まで渋谷をぶらぶらしていた。というのも、会場まで渋谷からバスが出ていたので。

特に注目どころもなかったので東急東横線工事を見ていた。

渋谷を出たのが0時過ぎ、戻ってきたのが5時過ぎで日付の感覚がおかしい。

この時は天気予報で雨だと知っていたのに傘を忘れていました。
イベントの間に雨が強まっていて、傘を持っていなかったので外出すべきか躊躇っていたが
運良く一時的に弱まったのでこの日最後の訪問。


2014年2月15日。
榊原ゆいさん『Maniac LOVE×Live 2014』。
この日は関東稀に見る積雪で交通障害が起きていた。

おかげでレアな雪渋谷の風景が見られた。
宮下公園や松濤公園にも行ってみたが、水捌けが悪く雪の溶けた水が溜まっており靴下までずぶ濡れの大惨事に。


翌16日。

相変わらず残雪。

前日から気付いていたが花壇に丸い照明器具が取り付けられており、植物も変わっていた。

前年に発表されたCHAOS;CHILDの情報をもとに、掲示板に力士シールを貼るという遊びをしてみた。
もちろんこの撮影の後すぐに剥がした。


2014年3月21日。
徳永愛さんのCDデビュー15周年記念ライブ『2部~sketch~』
2部制の内の後半のみ参加。会場が運良く渋谷だった。

この時にちょっとショックを受けました。
これまでずっとあった物が無い。掲示板の後ろのでかい……あれって何なんでしょうか。配電盤関係のような気がする。

そしてまさかの玄関マット。何故新しい物を置く?
花壇の照明の側には前回無かったタイプのものが。花自体も変わっている。


22日。


渋谷川を挟んだ並びが再開発計画のD棟予定地なのですが、そのお知らせの存在に気づく。
こっちの方が工事は先行しているのですよね。

たまにはいつもと違う角度から見てみる。


2014年4月21日。
前日の『savage genius LIVE  ~じゃあ、またね。つったでしょ!~』の前にとある出来事で謎の興奮だったのですが
GIG-ANTICとは関係ないので割愛。

ドアに何かが挟まっていました。見ると、工事で水道の水が濁りますよ、というお知らせでした。

掲示板の後ろに自転車が常駐するようになっていた。ゲームCGでも同じような風景なのでちょっとときめきました。
掲示板の素材感を記録しておきたくて接写。


2014年7月20日。
この日は『MF文庫J『夏の学園祭』2014』の『「星刻の竜騎士」アンサリヴァン騎竜学院 in 秋葉原』を見に行ったのですがすごい猛暑。
思えばこの時まで真夏に東京を訪れたことがなかった。

そして決定的にショックな出来事。とうとう掲示板が取り外されました。

夜には雨。水溜りに映る証明は綺麗ですね。


翌21日。

猫に遭遇。
渋谷を立つ時に山手線ホームから見送った。


2014年9月20日。
翌日の『Hacking PHANTASM Live in TOKYO』に向けて。

工事の動きが加速。とうとう東急東横線のトンネルが消滅。
こんな風景見たことが無かった。

ビル自体に大きな変化は無し。
自転車はずっとあるが、ビルの職員のものなのか、放置なのか。


飛んで22日。

2ヶ月前と同じと思しき猫に遭遇。このへんの野良なのだろうな。
2日前(土曜日)に無かったいつもの自転車が復活。ここか付近の職員のものなのだろう。


2014年10月13日。
榊原さんの『Happy LOVE×Live 2014』の日。

雨。いつも見る自転車にぺヤングのゴミが入れられていたところを見るとやはり放置なのか。


14日。

青空。


2014年11月15日。
『Live 5pb. 2014』の前に立ち寄り。

D棟計画地のビルが囲われる。よく見知ったはずの風景が変わるのは哀しい。
渋谷川から撮る時にはいつも橋の端に立っていたのですが、立てなくなってしまった。

向かいの工事現場の日差しに陰っている。晴れの日じゃないと見られないですね。


2015年2月15日。
榊原ゆいさんの『CharaSon LOVE×Live 2015』の翌日。

渋谷川もカラカラの晴天。


2015年4月11日。

左隣のサエグサビルが囲われていた。解体が始まっていたのでしょう。
夜に訪れると3階のバーdressからいつも賑やかな音楽が聞こえていました。


8月29日から30日。
30日には若井望さんの『a Live for a Scream" ~One Night Only Requiem~』が渋谷で開催された。

D棟建設予定地のビルの解体が進み、これまでに見られなかった場所から見られるように。
面白くもあり寂しくもある。

サエグサビルの解体が終了。ぽっかりと穴が空いてしまった。


31日。

ビルの背面を近くで見る。渋谷川を挟んだ対岸D棟予定地がまっさらなのもよくわかる。
ニュー信州との距離感に違和感。

工事の詳細はこの地区一体をまとめたものが掲示されていた。


10月17日。

周辺の工事も急速に進む。
途中にある丸十池田製パンさんの移転のお知らせ。
右隣の第2平野ビルも着々と進んでいる様子。


夜間に上の階まで明かりが付いているのは珍しかった。
解体に向けた作業をしていたのだろう。
4階の窓は開き、2階の窓にはカレンダー(作業に必要な“どうでもいい紙”なのだろう)が貼られていた。


19日。
この日はカメラアプリの設定を間違えてしまい低解像度になっている。

作業員が出入りするので入り口は開きっぱなし。全体的に“これまでに見たことのない姿”という印象だった。


道幅が狭く全体像を撮れないのでパノラマ撮影を試みる。

コーネリアスタワーことセルリアンタワーと共に。


2015年11月21日。

明治書店や成ルなどが入居していたお馴染みの天安館ビルがとうとう覆われる。

4時頃に撮影したのですが照明が。

瓦礫と伸びた蔓。「管理する必要がない」という意志を感じる。


23日。

夜。


ここまでが私の記録してきたGIG-ANTICでした。
次に訪れる頃にはもっと違う姿になっていることでしょう。
その時にまた情報をアップしたいと思います。

2015.12.23 更新


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2015.12.30 追記

本日12時頃の写真を協力者から提供していただいた。


話に聞いてたとおり、道路が封鎖されている。
手前の天安館ビルは窓部分が打ち抜かれ、
池田ビル、ニュー栄ビルは外壁が取り払われているようだ。
肝心のイターナル渋谷ビルは、大きな変化は見て取れない。


東側、渋谷川方面からは覆いでほとんど見えない。
サエグサビルが先に解体されていたため、隙間からわずかに見えるのはありがたい。

以上、報告まで。


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2016.1.23 追記

今月16日、17日にかけて渋谷を訪問しました。

16日から。
既に工事が進行していることは承知の上だったので驚きはしなかったもののショックな風景でした。

渋谷駅を東へ抜け、南の歩道橋から見る定番コース。
いつも天安館ビルの壁が見えていた所で、まさかの最初からGIG-ANTICが見えているという衝撃。
天安館ビル、池田ビルは既に解体済みだった。
ここからでも3階の前方が崩されているのがよくわかる。


橋を渡ってすぐの丁字交差点。
知ってたけど工事で覆われていて既に「道路」という役割は失っている。

工事現場は東急東横線旧線路の解体現場と繋がって
渋谷川の手前まで一つの現場になっていた。
その現場の出入り口は西側にある。


この現在地の少し右側。

ちょうど作業員さんが入っていった後に、閉められた仕切りの隙間から覗いてみた。
正面から見て初めて、思っていたより作業が進んでいることにショックを受けた。
2階、3階の正面の壁がすべて剥ぎ取られている。
おかげで中の様子が丸見えです。ありがとうございます。
いや、中を見てみたいとは思っていたがこんな形で見ることになろうとは。
正面の出っ張った部分から崩しているのだろう。
一番手前にあった階段はくっきり跡を残して姿を消しているし、
それを上がった2階入り口の照明は天井からぶら下がっているし…
解体されるってこういうことなんだな…。

なんて悠長に写真を撮っていたら、
思いのほか頻繁に作業員が出入りしており、ものすごく邪魔をしてしまった。
申し訳ない。でもいつもこんなふうに多少図々しくしていないと街中の聖地写真なんて撮れやしない。
自分が離れた後、女性二人組が同じように隙間にカメラを向けていた。
かつての渋谷GIG-ANTICに思い入れがあるのだろうか。

少し経ってから再び訪れてみると、
出入りの度に開閉していた仕切りをあけっぴろげにしていた。
さっきコソコソしていたのが何だったのかと思わされる。

GIG-ANTICのみならず、すべてのビルが同じように正面の壁を削られているようだった。


翌17日。


いつもの方向から向かう。
この稲荷橋の風景も、橋以外はまるでどこだかわからないようになってしまった。


囲いの途中にあったビニールの部分から。
重機が同じ方向を向いて鎮座している。
工事は休みのようだった。

隙間から辛うじて覗けた。
前日から特に変わった様子はない。
まだ地面に積まれた瓦礫を崩すターンなのだろう。


工事の解体予定はこのようになっていた。
日曜のみ休みのようだ。

最後に、渋谷駅の埼京線ホームへ向かった。
渋谷駅の3階、GIG-ANTICからは正面にあるホームだ。
某協力者様の情報でここから見られることを知り、何度か訪れている。
JR改札の中はすべてのホームが繋がっているので埼京線を利用しなくても行くことはできる。
私も山手線を利用するついでに訪れたことの方が多い。

JR東日本さんの駅構内図(渋谷駅)を拝借。

左上の「埼京線湘南新宿ライン」と書かれている部分。
簡略化されているが実際は長ーいホームだ。

駅の工事のために置かれた重機が邪魔をしているが、下からは見づらい4階、5階部分がよく見える。

帰る時間まで少し余裕があったが、いつまでも見ていても離れづらくなるだけなので程々の時間でその場を去った。
現場の予定では1月31日までにすべてのビルの解体が完了しているはずであり、
私はしばらく渋谷を訪れる予定はない。
これが私にとって、このビルを生で見る最後の機会となった。

ここはファンタズムがライブをしていた場所であり、
ファンタズムに興味を持ったのをきっかけにCHAOS;HEADを知った私にとって、特別な聖地でした。
実際にはゲームCGとは左右が逆だったり、
予定されていたライブがこの場所でリアルブートすることはなく、
私が初めて訪れた時点では既にライブハウスではなくなっていたけれど、
3年以上、渋谷に行く度(といっても19回なんだが)見つめ続けてきたこのビルには
CHAOS;HEADとは別の個人的な愛着が湧いており
二度と見たり階段を上ったり壁を触れたりすることはできないのだと思うとやはり寂しいです。
だからといって何もできないのだけれど、
ただ、今までありがとう、とだけ思います。